- 「毎日の仕事が辛いけど、こんなことで転職していいのか不安」
- 「転職で失敗や後悔をしたくない」
- 「人間関係が最悪で毎日ストレス。給料は満足しているけど、転職すべきかな?」
- 「今の職場にとくに不満はないけど、何となくこのままでいいのかわからない」
「転職理由」が曖昧なまま転職活動を始めてしまうと、本当に実現したかった事が叶えられず、結果的に転職したことを後悔してしまう薬剤師がいます。また、「転職すること」それ自体がいつの間にか目的となってしまうリスクもあります。
私は今までに3回の転職経験がありますが、その中には「本当に叶えたいこと」が曖昧なまま転職をして後悔した経験もあります。
- 転職の判断基準
- 転職・転職活動をした方がいい人
- 転職しない方がいい人
転職活動をするべきなのか、現職で働き続けた方がよいかの判断の参考になればうれしいです。
転職の判断基準
まずは結論です。転職の判断基準の基本的な考え方は
「かなえたいことが、今の会社で実現できるかどうか」 です。
実現できない人(見込みがない人)は転職を考えるタイミングかもしれません。
ここからは、さらに具体例を出してそれぞれ解説していきます。
薬剤師で「転職・転職活動した方がいい人」「転職しない方がいい人」【まとめ】
転職・転職活動した方がいい人 | 転職しない方がいい人 |
---|---|
薬剤師以外(異業種)の仕事がしたい ・人間関係で悩んでいる(短期間で改善不可) ・会社が嫌いになった、信用できない ・今の会社ではやりたい業務ができない ・在宅で働きたい ・「仕事・人間関係・給与と待遇」のうち2つ以上不満 | ・今の会社で明確に達成したい目標がある ・入社してまだ日が浅い(在籍期間が短い) ・「仕事・人間関係・給与と待遇」全てに不満がない | ・
「転職・転職活動した方がいい人」、「転職しない方がいい人」の各項目をそれぞれ解説していきます。
【転職しない方がいい人】
今の会社で明確に達成したい目標がある
- 今の会社で役員・幹部職を目指している
- 尊敬するあの薬局長の下で働きたい、経験を積みたい
- 将来、今の会社の人事部で新卒採用に携わりたい
例えば上記のように、現在の会社で達成したい明確な目標がある場合は、
目標に向けて今の職場で頑張った方がよいでしょう。
入社してまだ日が浅い(在籍期間が短い)
入社して日が浅かったり在籍期間が短い場合の転職は、慎重に判断する必要があります。
「在籍期間の目安」は各個人の経験や実績、スキルによっても異なるため一概には示せませんが
下記データを参考にすると、”前職を2年以上勤務した後に転職した人は全体の約64%”となっています。
つまり ” 2 年 ”が1つの目安になりそうです。
(【注意】:下記データは、”薬剤師のみ”を対象とした調査ではありません。)
【参考情報】
厚生労働省が実施した「令和2年転職者実態調査」の「個1-(2)直前の勤め先の通算勤務期間 表12」を参照
【転職者の直前の勤め先の通算勤務期間(現在が正社員)】
「0~6か月未満」:7.4%、「6か月以上1年未満」:9.5%、「1年以上2年未満」:18.3%
「2年以上5年未満」:28.4%、「5年以上10年未満」:18.0%、「10年以上」:18.0%、「不明」:0.5%
(出典:「令和2年転職者実態調査の概況」|厚生労働省)
【性・年齢階級】 | 6カ月未満 | 6カ月以上1年未満 | 1年以上2年未満 | 2年以上5年未満 | 5年以上10年未満 | 10年以上 |
男 | 6.7% | 8.0% | 16.6% | 25.7% | 16.0% | 26.6% |
女 | 9.3% | 12.6% | 17.8% | 28.6% | 20.1% | 10.3% |
25-29歳 | 7.9% | 10.5% | 17.2% | 46.8% | 16.2% | 0.8% |
30-34歳 | 4.8% | 7.7% | 25.4% | 26.2% | 27.4% | 8.3% |
35-39歳 | 4.3% | 10.9% | 13.0% | 27.2% | 22.8% | 20.3% |
40-44歳 | 5.1% | 10.6% | 17.9% | 22.9% | 20.1% | 23.2% |
「仕事・人間関係・給与と待遇」全てに不満がない
特に言うことはありません。(そもそも転職しようとは思わないはずですので…)
今の職場で思う存分働いていきましょう!
【転職・転職活動した方がいい人】
薬剤師以外(異業種)の仕事がしたい
これに該当する薬剤師は、今すぐに「転職活動」だけはするべきです。
(実際に転職するかどうかは内定が出てから悩めばいいです。)
モヤモヤした状態で働くことになりますし、最悪の場合は時が経って後悔することになりかねません。
私も現在は企業で働いていますが、もっと早い段階で転職すればよかったと後悔しました。
個人的な考えですが、薬剤師資格は非常に強力で、ローリスク・ハイリターンな転職を可能にします。
考えてみてください、無資格のサラリーマンが転職しようとすれば、
失敗したときのリスクは、薬剤師免許を持つ私たちよりも遥かに大きいでしょう。
やりたい事や、夢があるなら勇気をもって行動することをお勧めします!
人生は一度きりですので、是非とも後悔しないようにしてくださいね。
人間関係で悩んでいる(短期間で改善不可)
ここでの「短期間」は2~3ヵ月を想定しています。
なぜなら、2~3ヵ月あれば、転職活動➡内定➡退職交渉➡有給消化➡退職まで十分可能だからです。
他店舗へ異動や長期の応援、シフトの調整などで、ストレスの軽減や根本的な改善が望めない場合は
いっそ転職することも選択肢です。
会社が嫌いになった、信用できない
このような状態の場合は、「転職活動」だけでもした方がよいでしょう。(実際に転職するかどうかは別の話です。)しかし、割り切って仕事を続けることが可能な方は、無理に転職活動をしなくてもよいと思います。
個人的には、「転職活動」することをオススメします。
なぜなら、遅かれ早かれ最終的には転職する薬剤師をたくさん見たからです。
また、口癖のように「会社辞めたい」、「転職したい」とぼやいている薬剤師はこのパターンの方が多い印象です。
実は私自身も、現場で働いていた時にこの状況になりました。薬局長の時に直属のエリアマネージャーが信頼できなくなり、次第に会社自体に諦め、嫌悪感を抱くようになりました。
嫌いな会社で働き続けることは非常に辛いですので、より共感でき安心して働ける会社がないか、ゆっくりでもいいので探してみてはいかがでしょうか。
「5年後、10年後も今の会社で働けますか?」
今の会社ではやりたい業務ができない
- 大規模な在宅医療を担当したい
- OTC業務を経験したい、OTC専門として働きたい
- 企業に所属するラウンダー薬剤師になりたい。
- 漢方薬局で煎じ薬の知識や経験を積みたい
例えば上記の様に明確にやりたい業務がある場合は「転職活動」を検討してみてはいかがでしょうか。
「やりたいこと」が明確にある人は少数ですし、正直羨ましく思います。
是非とも後悔しないようにしてくださいね。
在宅で働きたい
転職によって在宅勤務できる職種につくことは可能ですが、未経験での転職の場合は年収が下がる可能性が高いです。しかし、中長期でキャリアを考えると最終的には、在宅勤務を実現し、薬剤師と同等以上の年収を達成することも狙えます。
例えば、下記のようなキャリアイメージです。
薬局薬剤師➡MSL(未経験1社目)➡MSL(2社目)
病院薬剤師➡メディカルライター(未経験/1社目)➡メディカルライター(2社目)
コロナ以降、職種や企業によっては在宅と出勤のハイブリットを採用していたり、フル在宅可能な仕事もあります。
将来本気で在宅で働きたい薬剤師は、一度どのような選択肢があるのか知るためにも「転職活動」を始めてみてはいかがでしょうか。
「仕事・人間関係・給与と待遇」のうち2つ以上不満
薬剤師に限ったことではないですが、この状態の人は転職を考えるタイミングかもしれません。
しかし、好きな会社で働けている場合や、将来的に異動して仕事内容が変わったり
昇格や昇給によって満足できるようになる場合もあります。
余裕があれば「転職活動」だけでもすることをオススメします。
自身の市場価値や、従事したい仕事に必要なスキルや経験を把握しておくことで、
将来のキャリア設計もたてやすくなります。
まとめ
転職の判断基準は「かなえたいことが、今の会社で実現できるかどうか」
実現が難しい場合はまずは「転職活動」だけでもしてみることをオススメします。